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第1章 人工知能(AI)とは【G検定公式テキスト】

1-1.人工知能(AI)とは

1.人工知能の定義

1.1 人工知能とは何か

人工知能」が、推論、認識、判断など、人間と同じ知的な処理能力を持つ機械(情報処理システム)であるという点については、大多数の研究者の意見は一致しているといってよいでしょう。

京都大学名誉教授の長尾真は「人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステム」と定義し、東京大学教授の松尾豊は「人工的につくられた人間にような知能、ないしはそれをつくる技術」と定義しています。

1.2 人工知能の大まかな分類

レベル1:シンプルな制御プログラム エアコンの温度調整、洗濯機の水量調整、電気シェーバーの深剃り調整など、あらかじめ単純な振る舞いがハードウェアやソフトウェアで決まっている製品が、このカテゴリに分類されます。これらの製品では、すべての振る舞いがあらかじめ決められており、その通りに動くだけです。

レベル2:古典的な人工知能 掃除ロボットや診断プログラムなど、探索・推論、知識データを利用することで、状況に応じて極めて複雑な振る舞いをする製品がこのカテゴリに属します。

レベル3:機械学習を取り入れた人工知能 検索エンジンや交通渋滞予測など、非常に多くのサンプルデータをもとに入力と出力の関係を学習した製品がこのカテゴリに属します。

レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能 機械学習では、学習対象となるデータの、どのような特徴が学習結果に大きく影響するかを知ることはとても重要です(これを特徴量)と呼びます。

この特徴量と呼ばれる変数を、自動的に学習するサービスや製品がこのカテゴリに属します。

1.3 AI効果

人工知能で何か新しいことが実現され、その原理がわかってしまうと、「それは単純な自動化であって知能とは関係ない」と結論づける人間の心理的な効果をAI効果と呼びます。

1.4 人工知能とロボットの違い

ロボットの脳に当たる部分が人工知能になります。

1-2.人工知能研究の歴史

1.人工知能研究の歴史

1.1 世界初の汎用コンピュータの誕生

1946年、アメリカのペンシルベニア大学エニアック(ENIACという17、468本もの真空管を使った巨大な電算機が開発されました。

1.2 ダートマス会議

人工知能という言葉は、エニアックの誕生からちょうど10年後の1956年にアメリカで開催されたダートマス会議において初めて使われました。

特にニューウェルとサイモンは、世界初の人工知能プログラムといわれるロジック・セオリストをデモンストレーションし、コンピュータを利用して数学の定理を自動的に証明することが実現可能であることを示しました。

1.3 人工知能研究のブームと冬の時代

第1次AIブーム(推論・探索の時代:1950年代後半〜1960年代) 迷路や数学の定理の証明のような簡単な問題(「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」)は解けても、複雑な現実の問題は解けないことが明らかになった結果、ブームは急速に冷め、1970年代には人工知能研究は冬の時代を迎えます。

第2次AIブーム(知識の時代:1980年代) コンピュータに「知識」を入れると賢くなるというアプローチが全盛を迎え、データベースに大量の専門知識を溜め込んだエキスパート・システムと呼ばれる実用的なシステムがたくさん作られました。日本では、政府によって「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進されました。

第3次AIブーム(機械学習・特徴表現学習の時代:2010年〜) ビッグデータと呼ばれる大量のデータを用いることで、人工知能が自ら知識を獲得する機械学習が実用化されました。また、知識を定義する要素特徴量と呼ばれる対象を認識する際に注目すべき特徴を定量的に表したもの)人工知能が自ら習得するディープラーニング(深層学習)が登場したことが、ブームの背景にあります。