【行政手続法】行政手続法総説・処分・行政指導・届出・命令等制定手続・適用除外
1.行政手続法総説
1.1.行政手続法の役割
2.処分
2.1.申請に対する処分(5条〜11条)
2.2.不利益処分(12条〜31条)
3.行政指導
3.1.行政指導(32条〜36条の2)
4.届出
4.1.届出(37条)
5.命令等制定手続
5.1.命令等制定手続
6.適用除外
6.1.処分・行政指導についての適用除外
6.2.地方公共団体における適用除外
1.行政手続法総説
1.1.行政手続法の役割
1.1.1.行政手続法とは
1条
2項 行政手続法が規定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。
2条(定義)
5号 「行政機関」には地方公共団体の機関も含まれる。
3号 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
✗ 認可を求めるもののみに限られる。
✗ 法令に基づかない申請であっても
- 行政庁は、許認可に際し、条件などの附款を付すことができる。
4号 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
= 申請により求められた許認可等を拒否する処分 → 「不利益処分」から除かれている → 意見陳述の機会を与える必要はない。
- 「一般に、処分庁が認定申請を相当期間内に処分すべきは当然であり、・・・、処分庁にはこうした結果を回避すべき条理上の作為義務がある。」としている。
8号ロ 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
- 「申請」と「届出」の区別に、行政庁の裁量の有無は無関係である。
1.1.2.行政手続法の内容
- 処分
1.申請に対する処分
2.不利益処分
行政指導
処分等の求め
届出
命令等を定める手続
1.1.3.行政手続法の目的
1条(目的等) この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
✖︎ 説明責任を明示している。
✖︎ 事後的救済手段についても定めを置いている。
✖︎ 契約について入札などの手続規定を置いていない。
2.処分
2.1.申請に対する処分(5条〜11条)
2条
3項 法令に基づき、行政庁の許認可等を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
2.1.2.申請に対する処分の審査基準の設定(5条)
5条(審査基準)
1項 行政庁は、審査基準を定めるものとする。
- 産業廃棄物処理業の許可に関する審査基準
→ 都道府県知事が設定する。
3項 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。
✖︎ 申請者から求めがあった場合に審査基準を書面で交付しなければならない。
- 審査基準は、「行政規則」の一種である。
→ 都道府県知事が、審査基準に違反してその申請を拒否する処分をしても、当然に違法となるわけではない。
- 「行政上特別の支障があるとき」は、審査基準を公にしておく必要はない。
2.1.3.標準処理期間(6条)
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
→ 定めることは行政庁の努力義務にとどまる。
✖︎ 標準処理時間を定めることは、法的な義務であるから、
✖︎ 申請が行政庁によって受理されてから
✖︎ 当該標準処理期間を経過してもなお申請に対し何らの処分がなされないときでも、当該申請に対して拒否処分がなされたものとみなされるわけではない。
申請の事前指導の期間は参入されない。
「標準処理期間」を経過しても、直ちに行政事件訴訟法3条5項の「相当の期間」を経過したことにはならない。
2.1.4.審査の応答(7条)
7条(申請に対する審査、応答)
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
- 標準処理期間をは、適法な申請を処理する期間であるから、不適法な申請に対して補正を求める場合の指導期間は、通常要すべき標準的な期間には含まれない。
✖︎ 補正指導の期間は含まれず、標準処理時間の進行は停止する。
✖︎ 申請がそれをすることができる期間内にされたものではない = 申請の形式上の要件に適合しない申請 → 7条
✖︎ 申請の形式上の要件に適合しない申請については、補正を求めなければならず、ただちにこれを拒否してはならない。
→ 直ちに申請を拒否する処分をすることも許される。
2.1.5.理由の提示(8条)
8条(理由の提示)
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
→ 「許認可等」をする場合には、理由を提示する必要はない。
✖︎ 行政手続法には、申請に関する拒否処分に関する理由の提示の定めはない。
- 理由の提示がをしなければならないのは、申請を全部拒否するときに限られているわけではない。
✖︎ 申請拒否処分については、・・・、処分後相当の期間内に示せば足りる。
2項 申請により求められた許認可等を拒否する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。
2.1.6.情報の提供(9条)
9条(情報の提供)
1項 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
2項 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。
2.1.7.公聴会の開催(10条)
10条(公聴会の開催等)
申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該命令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
2.1.8.複数行政庁の関与(11条)
2.2.不利益処分(12条〜31条)
2.2.1.不利益処分とは
2条(定義)
2号 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
4号 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の物を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分」をいう。
→ 申請を拒否する処分は「不利益処分」から除かれている。
8号 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
ハ 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
5条(審査基準)
審査基準を定めるものとする。
→ 法的義務
- 不利益処分については、標準処理時間にかかわる規定は設けられていない。
2.2.2.処分基準の設定(12条)
8条(理由の提示)
申請を拒否する処分 → 理由を示す義務 ただし、・・・・、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
12条(処分の基準)
1項 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
✖︎ 相手方の求めにより開示しなければならない。
→ 努力義務
2項 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
2.2.3.理由の提示(14条)
14条(不利益処分の理由の提示)
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
✖︎ 不服申し立ての審理の時点で処分庁が当該処分の理由を変更できる。
→ 義務。ただし、差し迫っていたらこの限りではない。
事例)いかなる理由に基づいてどのような処分基準の適用によって当該処分が選択されたのかを知ることができなければ理由の提示を欠いた違法な処分になるとして、一級建築士免許取消処分を取り消した判例がある。
2条4項
ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
→ 「申請により求められた許認可等を拒否する処分」については、行政手続法上の「不利益処分」から除外されている。
→ 意見陳述のための手続をとる必要がない。
2.2.4.意見陳述手続(13条)
13条(不利益処分をしようとする場合の手続)
行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
- 「申請を拒否する処分」=「申請に対する処分」→「不利益処分」ではない→意見陳述のための手続(聴聞、弁明の機会の付与)の手続が執られることはない。
13条(不利益処分をしようとする場合の手続)
行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
✖︎ 処分の名あて人となるべき者でなくても、
1項1号イ 「許認可を取り消す不利益処分」→「取消し」と「撤回」の双方が含まれる。
4項 「納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。」は、聴聞の手続も弁明の機会の付与の手続もとる必要がない。
2.2.5.聴聞(15条〜28条)
(1)聴聞通知
15条(聴聞の通知の方式)
1項 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
✖︎ 聴聞を公正に実施することができないおそれがあるときは、当該処分の原因となる事実を通知しないことができる。
✖︎ 書面によらず口頭でこれを行うことができる。
3項 行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号及び第4号に掲げる事項並びに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。
18条(文書等の閲覧)
当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(当事者等)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。
この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
19条(聴聞の主宰)
1項 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。
2項 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。
1号 当該聴聞の当事者又は参加人
(2)聴聞手続
20条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。
6項 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。
主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。
24条(聴聞調書及び報告書)
1項 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。
2項 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。
3項 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。
✗ 主宰者の意見を記載することは許されていない。
4項 当事者又は参加人は、第1項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。
25条(聴聞の再開)
行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。
26条(聴聞を経てされる不利益処分の決定)
行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第24条第1項の調書の内容及び同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。
→ 報告書に記載されている主宰者の意見は行政庁を拘束せず、一定の合理的な理由があれば意見と異なる判断をすることも許されると解される。
27条(審査請求の制限)
この節の規定に基づく処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。
(3)弁明の機会の付与(29条〜31条)
29条(弁明の機会の付与の方式)
弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。
✖︎ 書面ですることを認めたときを除き、口頭で行うものとされている。
✖︎ 当事者から求めがあったときは、口頭により弁明する機会を与えなければならない。
弁明の機会の付与が聴聞と異なる点
当該処分について利害関係を有する者が参加することは認められていない。
当事者は処分の原因に関する文書を閲覧する権利を有しない。
16条(代理人)
前条第1項の通知を受けた者(当事者)は、代理人を選任することができる。
→ 聴聞、弁明の機会のいずれの場合であっても
21条(陳述書等の提出)
当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。
3.行政指導
3.1.行政指導(32条〜36条の2)
行政から国民に対して、任意の協力を求めてはたらきかけるもの。
2条(定義)
6号 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
→ 不特定の者に一定の作為または不作為を求める指導等は、「行政指導」には含まれない。
✖︎ 特定か不特定かは問わない。
32条(行政指導の一般原則)
1項 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2項 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
→ この定めが適用される場合は、当該行政指導の根拠規定が法律に置かれているものに限定されていない。
33条(申請に関連する行政指導)
申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
→ よって、行政庁がそのような行政指導を行うことも、申請者の権利の行使を妨げるものでない限り、直ちに違法とされるものではない。
✖︎ 申請の取り下げがあったものとみなす。
35条(行政指導の方式)
1項 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
✖︎ 努力義務にとどまり、義務とはされていない。
3項 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前2項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
→ 行政指導の相手方以外の利害関係人に対しては、請求があっても書面で行政指導をする必要はない。
4項 既に文書又は電磁的記録によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるものについては、35条3項の規定は適用されない。
36条(複数の者を対象とする行政指導)
同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
✖︎ 指導の指針を定めるにあたり「公聴会」をかいさいしなければならない。
36条の2(行政指導の中止等の求め)
いくら行政指導に強制力がないといっても、不適切な行政指導を受け続けるのは避けたいところです。そこで、違法だと思われる行政指導については、中止の申出をすることができます。
法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。
36条の3
1項 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
思料・・・考えること。
3項 当該行政庁又は行政機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
✖︎ 当該申出に対して諾否の応答をすべきものとされているわけではない。
行政指導は「処分」に該当しない。→弁明の機会の付与を行う必要はない。
4.届出
4.1.届出(37条)
2条7号 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。
✖︎ 行政庁に応答を求める行為=「申請」は行政手続法上の「届出」に含まれる。
✖︎ 行政庁にそれに対する諾否の応答が義務づけられているものをいう。
✖︎ 「自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを除く」とされている。
個別法上は「届出」の用語が用いられていても、行政手続法上の「届出」に当たるとは限らない。
「市町村長は、転入届が合った場合に・・・、法定の届出事務にかかる事由以外の事由を理由として転入届を受理しないことは許されず、・・・」
→ 転入届の受理を拒否することができない。
市町村長は、転入届が出された場合には、その内容が事実であるかどうかを審査して住民票を作成する。
いったん作成された住民票が職権で消除されたことに対する執行停止の申立てを認めた最高裁決定がある。
37条(届出)
届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
→ 届出書に必要な書類が添付されていない場合には、義務が履行されたものとはされない。
「住民票に特定の住民の氏名等を記載する行為は、・・・、これに法的効果が与えられているということができる。」として、処分性を認めている。
→ 転入届を受理せず住民票を作成しないことも行政処分に該当し、届出をした者は、これを処分取消訴訟により争うことができる。
5.命令等制定手続
5.1.命令等制定手続
行政が作る命令や規則にはm」法律のように私たちの意見が反映されているとはいえません。そこで、行政がルールをつくる際には広く国民の意見を募集するものとしました。
- 処分基準を定めるにあたっても、意見公募の手続を実施する必要がある。
39条(意見公募手続)
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
✖︎ これが行政指導の相手方の利害に重大な影響を及ぼす場合に限り、意見公募の手続をとらなければならない。
38条(命令等を定める場合の一般原則)
命令等を定める機関は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
39条(意見公募手続)
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
✖︎ 特別の利害関係を有する者に対しては、意見の提出を個別に求めなければならない。
4項7号 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
→ 意見公募の手続を実施する必要はない。
40条(意見公募手続の特例)
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、30日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、30日を下回る意見提出期間を定めることができる。
この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。
41条(意見公募手続の周知等)
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。
43条(結果の公示等)
1項 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。
3号 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
✖︎ 提出された意見が法定された数に満たない場合には、・・・、再度の意見公募手続を実施しなければならない。
2項 命令等制定機関は、必要に応じ、同項第3号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。
4項 命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第1項第1号及び第2号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。
6.適用除外
6.1.処分・行政指導についての適用除外
1条2項 処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関しこの法律に規定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。
→ 個別の法律に行政手続法と異なる定めがあれば、当該特別法の規定が優先して適用される。
3条3項 地方公共団体が行う処分のうち、法律に基づく処分には、行政手続法の処分に関する規定が適用される。
【?】地方公共団体の機関がする処分については、それが条例または規則に基づくものであれば、行政手続法の処分手続に関する規定は適用されない。
地方公共団体の機関がする行政指導(国の法令に基づくものであっても) → 行政手続法に行政指導に関する規定は適用されない。
地方公共団体の機関が命令等を定める行為 → 行政手続法の意見公募手続に関する規定は適用されない。
→ 46条 同法の規定の趣旨にのっとり、公正の確保と透明性の向上を確保するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4条(国の機関等に対する処分等の適用除外)
国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。